ジャニーズJr.チャンネルの再生回数を分析してみた【後編】

前回の記事はこちら。 

がむしゃらに再生回数を上げたもん勝ちよ!!!というような数字の殴り合い、「ジャニーズJr.担血祭り〜YouTubeから始まる〜」を推奨するものではなく、各ユニットの再生回数を分析することでそもそもどんな動画が人気なのか?ファンのニーズにハマっているのか?自担の魅力を伝えられるのか?そんなことを考察していきたいブログです。それでは、さっそく続きをレッツゴ!(cv.田中樹)

 

⑤ユニット別にみる人気動画の特徴(後編)

※前回、HiHi Jets編とSixTONES編をお送りしています。

Snow Man編〜

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表7

まず、Snow Manにおいて着目すべきは、ライブ・ダンス動画を除いた企画モノのみでベスト10を抽出してもほぼ全てがミリオンプレイヤーであること。トラ・Hi・美は、上位動画でも60万回を超えられるか超えられないかのあたりをさまよっているため、スノの堅実さが際立つ。

また、この10位中5つの動画が、6人から9人になった後に撮影されたものであることも興味深い。以下の図2は、ライブ・ダンスを除いた動画のみの推移を示している。縦の赤ラインが9人の動画がアップされ始めた境界線である。メンバー加入前後でも比較的同水準で推移しているようにも見えるが、60万で区切ると(横の赤ライン)、9人になってからはほぼ全ての動画が60万回を超えていることがわかる。このことから、企画の良し悪し等もあるので長い目で見る必要があるとは思うが、メンバーが増えた=ファンの母数増えたことで、再生回数のボトムが押し上げられた可能性が示唆される。(かといって、人数が多ければ多いほどいいのかと言われれば一概にそうでもなく、9人という大所帯になっても堅実に数字を伸ばしているのはSnow Manのバランス力の高さあってこそなのだろうと思う。)

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図2

さて、そんなスノの中で一番人気があるのは、【超大作】人狼ゲームでガチバトル…あなたは人狼を見破れるか!? である。平均年齢約25歳の良い大人たちと当時15歳の男の子が、ただただ人狼ゲームを繰り広げる様子を捉えた映像となっている。

この動画のすごさはなんといっても、27分49秒という脅威的な長さであるにも関わらず、スノの中で最も再生回数を稼いでいる点だ。*1 30分間も自担を見れるなんてもはや深夜のバラエティ番組並み!最高じゃん!!と思うかもしれないが、企画(はたまたキャスティング)によっては間延びして地獄の30分間になる可能性があるし、そうなれば途中でチャンネルを変えられてしまう。しかし、そのようなハイリスクを伴う長時間動画においても、各々のキャラクター(主に佐久間くん)や役割をしっかりと立たせることでメリハリのある展開になっていたのではないだろうか。

また、8位にも人狼ゲームでブチ切れ!?【寝たら見られない初日の出ロケ(中編)】2/3がランクインしている。そもそも人狼ゲーム自体の面白さ、先の展開が気になったり、メンバー同士の探り合いにニヤニヤしたり、といった魅力も関わっているのではないかと仮説を立てたのだが、本家人狼ゲームの動画は今のところSnow Manしかなく、その因果性を明らかにすることは難しい。参考までに、人狼ゲームに類似するワードウルフで遊んでいる動画を以下にまとめた。【おにぎりdeウルフ】を除けば各ユニット上位30%に入っているが、ここから言えることはあまりなさそうだ。個人的には、スノ以外にも人狼をやらせたらどんな展開になるのか見てみたいところである。

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表8

10位以内にランクインした他の動画についても言及すると、【康二ウェルカム】【10問10答】第1弾・第2弾メンバーの人となり・メンバー同士が相手をどう思っているかがわかるものとなっている。これらに関しては前回SixTONES編でもメンバーの関係性が見られる動画が多くランクインしていたこととも整合性がとれ、こういった「本音系」動画は安定して人気であることがわかる。また、誰が起きていられる?【寝たら見られない初日の出ロケ(完結編)】3/3は「旅行系」動画であり、これもスト同様、より素に近いメンバーの姿がファンに刺さっているのではないだろうか。
 で、ここまではいいのだが、Snow Manのトップ10を分析する中で、解釈が難しかったのが、2位の「【クレーンゲーム】達人!深澤辰哉の実力みせます。」と3位の「【ナガシマスパーランド】目指せ!絶叫マシン完全制覇」である。 いや、確かにふっかのクレーンゲームの技術はすごい。しかしメンバー同士が絡むわけでもなく、ひたすらUFOキャッチャーをしているのを見ているだけの動画であり、これまでのセオリーからは外れてくる。*2 絶叫マシンは叫び倒す可愛いメンバーが見られるのかなぁと期待する点で理解はできるが、ファンでなければなかなか"萌え"にくい動画なのではないかと感じる部分がある。*3

 

しかしながら、そういった一般には少しハードルの高い動画でも100万回を超える人気動画になっているということを鑑みるに、前回示した再生回数=ファン人数×1人あたりの再生回数+ファンではないが興味を持った人数×1人あたりの再生回数の考え方に基づけば、ファンが多いか、1人あたりの熱量が高いか、といったことが読み取れなくはない。スノ担はかつてから数字の部分で強いイメージがあり*4、ファンの頼もしい下支えが数字に表れているのではないだろうか。スノ初心者の私が偉そうにベラベラと語って申し訳ないので、スノ担さんからの貴重なご意見をお待ちしております。(急に意見募集)

 

 

Travis Japan編〜

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表9

皆さんお気付きのように、トラジャは人気動画の傾向がとてもわかりやすい。そう!ダンス!!ダンス!!!ダンス!!!!ダンス!!!!!(うるさい) 10位中4つがダンスをテーマにした動画である。その中でもダントツ1位に輝いたのは、ダンスに対するストイックさ、そのスキルの高さが前面に押し出された【倍速ダンス】「Lock Lock」倍速再生でダンスは難しい!だ。トラジャ担がトラジャのすごさを知ってほしいと思った時にオススメする動画ランキング1位でもあるのではなかろうか。

 

Travis JapanといえばジャニーズJr.の中でも特にダンスを強みにしているユニットであるが、ファンにとってもその強みが彼らを応援する上での大切な要素(=軸、魅力)であるということが、今回の結果に表れているように思う。ここから考察するに、トラジャとファンは、"ダンス"という要素によって需要と供給が最高点で一致するということをお互いが握れている状況にあるのではないだろうか。少々わかりづらい言い回しになったが、つまりは「ここだけは絶対他に負けないよね」「1番いいものを見せられるよね」というコンセンサスが取れているということだ。

これは他のユニットにもあるようで、ない部分であると思う。自担の魅力を語れと言われればいくらでも語れるが、ではそれを一番魅力的かつ明確に伝えられるコンテンツはどれか?と言われると選び出すのが難しい。そんな時に胸を張って、そのユニットの持ち味・アピールポイントを確実に伝えられる企画動画*5を持っているトラジャは強いと思う。

もちろん、トラジャの魅力はダンスだけではない。10位以内にランクインしたその他の動画は、メンバーの人となり・メンバー同士の関係性が見える「本音系」動画であり、スキルだけにとどまらない彼らの魅力にも多くの注目が集まっていると言えよう。

 

 

〜美 少年編〜

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表10

美 少年で最も再生回数が多い動画は、【大流行】ドゥビドゥバドゥゲームをやってみた。コンサートのMCでも行われたゲームで、動画を見ていただければわかるが、とにかく楽しそう。とにかく大盛り上がり。とにかくかわいい。(語彙力の低下)美 少年はまさしくリアル男子高校生が学校の休み時間にワイワイきゃっきゃしているような、等身大の姿が魅力的である。2位以下においても、ジャニオタ大好物の"メンバー同士がワチャワチャして可愛い"が詰まっている動画が多くランクインしていることがわかる。

 

ところで、美 少年の再生回数ランキングベスト10の傾向は、前回述べたHiHi Jetsのそれとよく似ている。 1点目が、ベスト10のうちの多くが2018年前半にアップされたものであること。2点目が、初回企画会議の再生回数を超えられている動画が5本しかないこと。これらが一概に悪いことであるという根拠はないのだが、他のユニットの傾向を考えると、Hi・美、両ユニットの伸びしろの部分であることには違いない。

 

 

⑥本質はここに?再生回数ワースト10 

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表11

ここまで、再生回数の多い動画をピックアップしてその特徴を分析してきたが、ではその一方で再生回数の低い動画とはどのようなものだろうか。いくら大好きな自担といえど企画によっては・・・というような、オタクの本音を紐解いていきたい。ちなみに、日付に赤い印をつけたものは直近にアップされた動画である。これはあくまで初動1週間以内の数字であるので、今回は除外する。*6

まず、とても面白い結果になったと思うのは、美 少年を除く全ユニットにおいてワースト1位が年明け1発目にアップされた新年の挨拶動画(黄色の網掛け)である点だ。美 少年においてはワースト10位となっているが、サプライズゲストとしてジャニーズJr.のキャメロンが登場したことが多少なりとも影響しているだろう。はい、じゃあ正直に各担当さんで自担のこの新年動画を観てないよ〜っていう人がいたら、静かに挙手してください。大丈夫、先生怒らないから。はい。わかりました。・・・・と、まぁおふざけまじりにそんなこと聞きつつも、おそらくだが、皆さん自担の分を最低1回くらいは見たんじゃないだろうかな〜と思う。

こういった類の動画は人々の興味のあるなしが明確に表れるもので、前回④章のHiHi編で触れた、とりあえず全ユニット分見てみようとなるような「企画会議」とは逆のことが言えると考えられるだろう。(もちろん、自担であっても新年の挨拶自体に興味がなければ観ていない人もいるかもしれない。)

1人のファンが、自担の新年動画のみを、まあだいたい1回くらいは再生した結果の総回数。さて、これはつまり何の数字を示しているか。勘の鋭い方であれば私が暗に言いたいことがお分かりかもしれない。え!急に現実!!急にコワ!!!何これコッワ!!!!ただ、これはかなり偏ったデータの見方をした場合の考え方なので、取り扱い要注意です。あくまで参考程度に捉えていただけるとありがたい。

さて、気を取り直して、ワースト1位以外の動画を見ていくと大きく2種類に分けられることに気がついた。まず、緑の網掛けをした部分に注目してほしい。主に、事務所の建物から外へお出かけしてJr.たちがいろんなことをやってみる企画なのだが、私はこれらをレジャー・体験系と名付けた(旅行系とは別概念)。そもそもYouTubeの企画の多くが、外に出るか、綺麗なファミクラ新社屋内でゲームをするかの2分類であり、上位〜中間層にもこのレジャー・体験系は散らばっているのだが、それにしてもことごとくワーストにランクインする傾向が見られる。施設で体験系は、ファミクラ内でゲームをするよりも多くの予算が割かれていそうなのに、再生回数が稼げていないというのはなんとも皮肉な話である。

次に、ピンクで網掛けしたのがあなた誰ですか系だ(めちゃめちゃ失礼)。要は、メンバー以外の人物(著名人・一般人問わず)が出演している動画だ。企画を進める主体がメンバーであることには変わらないのだが、自担以外のあまり知らない人がフィーチャーされる動画は、オタクにはあまりピンとこないのかもしれない。

ただ、これらの動画の再生回数が伸びないからといって、今後展開されなくなってしまうのは悲しい。ワガママではあるが、企画のバラエティは豊富であってほしいので、試行錯誤しながらいろんな企画を見せてくれることを期待したい。

 

 

⑦おわりに

こういうブログは前後編に分けるべきではないね!!明らかに後編の燃料切れ感を感じさせてしまう駄文、ここまで読んでいただきありがとうございます。せっかく頑張って書いてきましたがいよいよ本当に力尽きてきたので、分析の結論を全くまとめることなく無理やり締めます。(嘘でしょ自分。。。)

 

あまり説教くさくなるのも興ざめなのですが、私がこのブログで結局何が伝えたかったかというと「目的を見失う事なかれ」に尽きます。

数字や実績は、事務所がタレントを評価する上で大切な指標の一つには違いない。オタクが自担のためにできる数少ないことなので、指をくわえて待ってる暇があるなら、Jr.チャンネルの再生リストを回しまくった方がいい。ウチらでやったろうぜ!!と熱狂するオタクは最高にかっこいいと思う。しかしながら、原点に立ち返ってジャニーズJr.チャンネルの存在意義を考えてみると、それはオタクにとっても事務所にとっても「とにかく多くの再生回数を稼ぐこと」ではなく「ジャニーズJr.の魅力をより多くの人に知ってもらうこと」だったはずではないだろうか?あまりに綺麗事すぎるなぁとは自分でも思うが、目の前の数字に囚われすぎると、大切なものを見失っちゃうよってことですね。(再生回数が高いだの低いだの散々ここまで書いてきたお前がいうなよって言われそう。)

もし仮にYouTubeの再生回数を増やしたいと思ったときに、例えば私だったら「HiHiの良さが出てる動画ってどれかな!?どれをオススメしたら他担の方々にも見てもらえるかな!?」とか「HiHiの雰囲気を伝えるためにはもっとこういう企画があった方がいいんじゃないかな!?」とかそういうことを考えた方が、数字に追われて鬱になるよりも楽しくオタクができるんじゃないだろうか?今思うと、そんな思いが根底にあってこの記事を書き始めたような気がします。(なんとなくいい話になってきた!)

このユニットの動画にはこんな魅力や面白さ、伸びしろ、オタクのニーズに応える部分があって…ということをできる限り客観的に書いてきた*7つもりなので、HiHi Jetsは5番手!!!ヤベー!!!とか煽った張本人が言うことではないですが、なんとなく数字数字っていう世界に疲れてきたなぁと思っている人がいれば、あなたの自担の魅力を伝えたり、パワーアップさせたりするためのヒントになれば幸いです。

 

偉そうにほんとすみません!!!!!一緒にPDCA回してくれるオタクは随時募集中です!!読んでいただき、ありがとうございました。

(6299文字)

 

 

 

*1:Jr.チャンネルを観ている人であれば肌感覚でわかると思うが、多くの動画が10〜15分程度である。

*2:もはや普通にUFOキャッチャーするときの参考動画にされているのではないかとも思う。

*3:あくまで個人の意見です…。

*4:クリエの当日券が、いつもかなりの人数だった印象。

*5:端的にいえば「十八番」のようなものだろうか。

*6:美 少年の2019/3/10【JOHNNYS' Experience】リハーサル大公開!は運営側のミスで上げ直しされたものなので、除外する。

*7:美 少年編は完全に書き疲れて死んでいるのは本当にごめんなさい。許してほしい。